紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

abc予想 数学界の常識を覆す証明

GWは溜まっていたTV番組、積読はてブの消費に忙しい。まさに現代人らしい悩みだ。。。
何をするのか迷う暇もなく次々と現れる課題をこなしていく様子は思考停止で物事をこなすにはちょうどいいが人生100年時代から逆算して考えるとよくないのかもしれない。
 
だが長期的な人生の目標など考えたところで、また私を取り巻く環境はすぐに変わってしまうから私は日々刹那的に生きることにするとしよう。
 
さて再放送のNHKスペシャルという番組で数学の難問、abc予想の証明をめぐって数学界で議論が紛糾しているという番組を見た。
 
 
京都大学の望月教授が証明をしたとされるこのabc予想。番組で説明されていた内容とネットで見た内容違うし、自分でも全然理解できてないのでここでは書かないが望月教授がこの予想の証明に使ったという数学界の常識を覆すという前提が面白い。
 
 
そもそも現代数学というのはその昔ポアンカレが語った言葉「数学とは異なるものを同じと見なす技術である」をベースに学問が進んでいるとのこと。
加藤氏が証明の中で行ったことはその常識を覆すものだ。
 
加藤氏は通常の数学の世界「宇宙A」に対してもう一つの数学の世界「宇宙B」を構築。
宇宙Aのxという自然数と宇宙Bのxの2乗を同じとみなすことを前提に証明が進んでいくのだそうだ。
 

 

*1

 

図を見ると分かる通り宇宙Aの4は宇宙Bの16と対応しているのに、宇宙Bの4は宇宙Aの2とつながっている。
これはポアンカレの語った言葉に矛盾するというのだ。同じ4であるのに宇宙が違うと違う数と対応しており、同じと見なしていない。。。
 

対象に対する認識論

同僚の加藤博士はこう語る
 
我々は、『同じものであっても違うものと見なす』ということをやっているわけなんですけどね。ある時は、我々は『同じものを違うもの』と見なすし、ある時は、『同じものを同じもの』と見なすという
 
現代社会において人間が暮らしている以上は対象に対する認識論は違って当たり前だ。
りんごを見て「りんご、美味しそう」と認識する人もいれば、りんごを見て「りんご、Appleニュートン、青森」と様々なことを認識する人もいる。
 
 
異なるものを同じと見なす抽象的な数学の世界と同じものを異なるものとみなす我々が生きている世界。
この2つの世界を行き来するためには新しい言葉が必要だと前出の加藤博士は語る。既存の数学では説明できない新しい概念が誕生し、広く受け入れられた時数学の世界はまた一歩、新しい世界への扉を開くのだろう。
非常に壮大な番組で面白かった。