紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

製造業・メーカーの安定性を理解する

今日はこんな本を読んでいた。
 
著者は存じ上げていなかったがいかにも波乱万丈な人生を送っていそうないでたちである。笑
 

「自分が属する業界構造を理解する」

本の中にこんなサブタイトルの項目があった。著者は自分の属する業界構造により、その人の生存戦略が変わってくるという意味合いでこの項目を書いている。

 

先日確かにメーカーの開発職は向いてないと書いた、それは決して間違った指摘ではないと考える。
しかし、他に向いている仕事があるというのだろうか?自分でも分からない。
世の中大多数の人が自分の向いている仕事など何なのか分からないままその仕事人生を終えるというのが通常のパターンだ。
 
私が勤めている製造業は大手電機メーカーであり、素人が簡単に真似できるようなことはやっていないはずだ。
参入ハードルは恐ろしく高いと予想され、技術力のほかに下記のような要素も必要だ。
  • 工場
  • 人員
  • 材料
  • ノウハウ
  • 品質
製造業は技術力やコストパフォーマンスも必要だし、品質も必要、総合力で勝負するしかない。だからその分働いている人も多く、他の業界よりは安定しているように思える。
 
著者は業界構造には大きく分けてΣ型業界とmax型業界があると述べている。

Σ型業界のアウトプット

いくら効率化が進んでいる昨今でも、働く人間の数は相当数いないと仕事自体が成り立たない。
メーカーであれば、研究、開発、資材、工場、品質保証、財務、物流、第三次産業にはあまりない部門だけ見てもこれだけの部署がある。当然かなりの人や実際の材料、工場、そして資金、資本などが必要だ。それだけで経済はかなり回すことができる。
アマゾンの倉庫はブラック企業だと有名だが、実物を動かすにはやはり実際も人を配置して働かせなければビジネスとして成り立たない。十年後はロボットが代替している可能性もなくはないが。。
 
そしていくら優れた技術力があってもそれを作ることができなければ机上の空論になってしまう。
Huaweiなどが典型例だが、現在技術力の優れた会社が自動運転技術を盛り込んだ最新の車や微細なプロセッサを搭載したスマートフォンを生み出す技術はあっても、半導体を作る工場を持たない以上それは市場に出回ることがない。製造業はやはり技術力だけあってもダメなのだ。天下のHuaweiでも半導体を作る技術がなければ市場に製品を投入することすらできない。
 
もちろんデメリットもある
働いている人が多い分、会社の業績が傾けばリストラされる人間も多い。
東芝、シャープ、ソニーパナソニック、大企業がリストラするという時はだいたい大手メーカーの名前が挙がる。
だからやはり自らの経験や技術力を他社で活かす力がなければ路頭に迷ってしまうだろう。ましてや製造業は一人で起業するのはハードル高そうだし、フリーランスってのもほとんど聞かない。
 

max型業界のアウトプット

一番能力がある人の力=業界の能力、と本では説明している。
GAFAに代表される通り、優れた技術力があれば国境を越え世界中にその技術を素早く浸透させることができる、もちろん数多くの障害はあるだろうが少なくとも製造業が海外で事業を展開するよりは簡単なように思えてしまう(素人ながら)
起業する人やフリーランスの人も多い。それだけ参入障壁は低く、業界もレッドオーシャンである、しかし勝者総取りの厳しい世界である。
 

まとめ

ということで働くことに対して意識がめちゃめちゃ高いわけではない多くのビジネスマンは業績や雇用の安定している製造業に勤めつつ、自らの技術力を常に高める努力を怠らないことが一つの生存戦略にはなりうるのかなと考えた。
 
私のように大したキャリア戦略など持たない人間にとってはむしろうってつけな戦略なのではないだろうか。
向いていなくてもある程度の専門性がある以上、とりあえずはここに勤めておくのがよさそうかな、と考えた今日この頃でした。