紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

護られなかった者たちへ 生活保護を自分事としてとらえられるか

KindleUnlimitedにて一時期読めていた作品。
なんか有名そうだったのでキープだけしておいてずっと読まずじまいでした。
 
映画化もしていたんだ、と思って佐藤健の写真を見ると昨年結婚相談所で知り合った女性と見に行く約束をしたものの交際終了宣言され、見に行けなった作品でした。。。
まあ私の話はこれくらいにして。
 
 

生活保護の実態

作品のテーマは生活保護
本当に生活保護が必要な人(護られるべき人)に支援が行き渡らない。
一方で不正受給などがまかり通ってしまっている実態があるようです。(あくまで小説の中の設定です)
それをめぐって様々な事件が起こるミステリーです。
 

水際作戦で申請を拒む?

作品の設定で、役所は財源が足りないから生活保護受給者を減らせ!と国から発破をかけられています。
作品の中では「水際作戦」と言って、窓口で申請者に次のようなことを言って申請をさせないようにするというのだ。
 
「働ける健康な体であれば(それがたとえ何歳であろうと)働いて生活費にしてください」
「資産(土地や物品含む)があるならそれを売却して生活費にしてください」
「親族がいるなら(たとえ絶縁していても音信不通だろうと)その人を頼ってください」
 
大なり小なり現実にもこのような問題は起きているようです。
 

ホリエモンも言っている

いざとなったら生活保護があると。
最近は生活保護ではなくベーシックインカム推奨ですが。。笑
 
でもこの本に書かれていることが本当ならホリエモンの申請は一筋縄ではいかないでしょう。
自らの持っている資産をすべて証明することに多大な時間を使いそうです。。。
 

需給を拒む理由

需給を申請する側の人にも少なからずこのように考える人が出てくるでしょう。
「人様に迷惑をかけたくない」
「まだ我慢できる」
「世間体が気になる」
 
日本人ならではの発想ですね。
生活保護は当然の権利の行使です。
プライドを捨て去れと言うは易しですが、いざ自分の身に起きれば難しいのが実態なのかもしれません。
自分もすぐには申請できないでしょうね。。。
 

蔓延する差別

そして生活保護受給者は多くの批判にさらされているのが現実でしょう。
生活保護受給者が少しでも贅沢しようものなら役所に通報が行く。そんな国です。
昔はクーラーの購入すらも認められていなかったそうです。
 
最近では動画サイトで生配信している人が差別発言をして事務所と契約を解除されたりチャンネルが炎上する事例なんかも起こっています。
 
確かに我々も人間である以上、口には出さずとも差別的な考えをすることもあるかもしれません(公の場で実際に口に出してしまうのは論外として)
自分は差別的な考えを持っていないということを証明することはできません。
この考えは悪魔の証明と言ってこの本にも出てきます。
 
かなり前ですが「生活保護なめんな」というジャンパーも話題になりましたね。
 
 

いざ自分の生活が困窮したら

何事もいざ自分の身に起きたらどうすべきかを考えておくべきです。
いつ自分に何が起こるかは分かりません。
いつ何が起こってもこの日本で生きていくことができる。それが生活保護です。
 
生活保護を申請するハードルを少しでも下げる、というのが本当に保護が必要な人に必要な一つの答えです。
こんなサービスも登場しているようです。生活保護に必要な書類はとても複雑なのだそうですが、自分の情報を入力すれば申請書を作成してくれるというものです。
 
役所に行って手書きの書類書くのめんどくさいですからね。
 
 
月並みな言い方ですが考えさせられる小説でした。ミステリーは久しぶりでしたがミステリーとしても面白かったです!