紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

AIで蘇った美空ひばり、時代の進化は止まらない

AIを使って美空ひばりをよみがえらせるという試みをNHKがやってのけた。

ただ蘇らせるだけでなく、新曲を歌わせるというとても難しそうな試みだ。

 

しかし、見事な完成度だ。美空ひばりになじみがないだけ普通に本物に聞こえる。

 


[NHKスペシャル] AIでよみがえる美空ひばり | 新曲 あれから | NHK

 

髪型、衣装、作曲、作詞、振り付けに至るまで待った新しいものを用意し、担当は森英恵秋元康といった大御所ぞろいだ。

 

歌声は過去の音声データから音程、ビブラートの使い方、歌い方などを学習。3D投影する画像は過去の画像を大量に解析した。

 

 

 

これからAIにとって代わられる部分はたくさんあるだろう。それは例えば単純作業であったり、人と関わらない事務作業であったりだ。今回もただ美空ひばりに過去の曲を歌わせるだけで会ったらAIなど使うまでもなく、Youtubeでも見てればよかった。

 

今回エンジニアを苦しめた一つのキーワードは「人間味」、美空ひばりは一つの音で何オクターブもの声を出す「高次倍音」を局所的に使い、わざと楽譜の音程とはずれた歌い方をしているということを解明た。その例外的な歌い方を新曲という全く新しい分野でどこで歌わせるのか、きっといくつもの条件分岐をしたに違いない(笑)

 

結局のところAIが実現できるのは科学的に解明できるところに限られている。今回は美空ひばりの「人間味」が高次倍音とわざと音程を外す、というところから来ていると推測され、仮説はおそらく当たっていた。

 

これから科学的に100%立証されていることはこれからAIに代替されていくだろう。

逆の部分の効果も期待される。

「この人のしゃべり方はなんだか心地いい」というときに、「ある特定の言葉を言うときに何秒間間を開けてしゃべると心地よくなる」、といったような今までプロが感覚的にやってきたことが科学的に解明されて、誰でも再現できるようになるかもしれない。

 

いくつもの領域の専門家がチームを組んで一つのことをするときにおそらくAIができる部分は限られてくる。

追及する理想とAIが出してきた解にギャップが存在するとき、そこを修正するのもおそらくAIに精通する人間がすることだ。

 

 

人間のやることがただ人間と機械をつなぐ歯車になるのか(今でも社会の歯車だが。。)

それともテクノロジーとともに新しいものを作り上げるのかは一人一人の力にかかっている。

我々人間がやっていかなければならない領域もまだまだたくさんある、と信じたい。