あなたは目の前に体調の悪そうな人がいたらどんな対応をしますか。
昨日見た映画「風に立つライオン」は目の前の病人を何とかして助けようとする医者の物語。
ケニアで医療活動に従事した実在の日本人医師
本作はさだまさしが書いた小説と歌の映画化。小説は柴田紘一郎という実在の医師をモデルに書いたもの。
日本での環境を捨てケニアの孤児を救おうとする
「来月からアフリカへ行ってください」と言われたらどれくらいの人が断るのでしょうか?映画の中のケニアは各地で戦闘が起こり、負傷した兵士が病院に運ばれてきます。兵士の中には子供もたくさんいます。
インフラも整っておらず、自分の命も危険にさらされる。映画の主人公である航一郎医師(大沢たかお)には恋人もいました。日本での豊かな環境を捨ててまでケニアの負傷者を助けようとする。そこまでのモチベーションを持っている人はほとんどいない。
世界で困っている人はたくさんいます。助けたいという気持ちを持っている人はたくさんいることでしょう。その中には募金をしてくれる人もいると思います。しかし実際に現地へ行って何か行動を起こす。航一郎からあふれ出る使命感がこの映画の魅力の一つだと思います。
道を切り開く覚悟
航一郎と共に負傷者の看護にあたっていた看護師和歌子(石原さとみ)もまた大きな目標を持っていました。それは診療所に併設して孤児院を作ることでした。診療所に運ばれてくる多くの子供が孤児、孤児院を作ることで教育や生活などの支援を与えようとしたのです。
孤児院を作る過程は実話ではないようですが、和歌子は日本には帰らない覚悟で孤児院を作ろうとします。
映画の中の航一郎や和歌子を見ていると大きなことを成し遂げようとするならば同じくらい大きなものを犠牲にしなければいけないと実感します。
さだまさしが書いた歌の方の「風に立つライオン」でもそんな一節が記されています。
僕は「現実(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです
今の生活に満足し、思い上がっている人にこそ見る価値のある映画かもしれません。