紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

そこで生きる覚悟 ~ザノンフィクション~ 塙山キャバレー

まったく今回もヘビーな回だ。
 
 
ザノンフィクションに出てきた舞台は塙山キャバレー。茨木県日立市にあるという飲み屋街だ。
切り盛りするのは高齢の女性がほとんど最高齢は82歳だと。。
そこで店を切り盛りする女性たちの人生は一筋縄ではいかない女性ばかりだ。
親に捨てられた、子供を捨てて逃げてきた、何なら番組の中で子供20年振りに現れたし。。
ただそこに生きているだけでありがたいと思う気持ちがあるからか、料金は驚くほど安いらしい。採算を度外視している店もある。
 
客はほぼ常連、常連として密接な関係性を気づいていてアットホーム感はすごい。
よく密着ドキュメンタリーなんて撮れたな。
 

マイルドヤンキーのなれの果て

 
ここからは感想。
あくまで私の私見だけど壮絶な人生を経験している人の周りには同じく壮絶な人生を経験している人が集まることが多い気がする。
逆を言えば私のような平凡な人生を歩んでいる人の周りには同じく安定していて良くも悪くも平凡な人生を歩んでいる人が集まる傾向にあると思う。
 
よく、あなたは周りにいる5人の平均になる、なんていう言葉あるけれどもそれの延長線上にある考え方だ。
 
地元に残ってマイルドヤンキー的な生き方をしている人たちはきっとこんな風に年を取っていくんだろうなあと感じる。
上京して一山当てるでもなく、生まれたその場所で生き、仕事をし、歳を取る。
 
いくつになっても帰る場所があるという安心感はきっと安らぎを得ることができるだろう。
 
きっと工場がたくさんある町なんじゃないだろうか、地元感が強そう、やっぱり日立系が多いのかななんてメーカー勤務の私は考えてしまう。
 
ここのお客さんだってヘビーな人ばかりだ。
かつて塙山キャバレーのど真ん中でラーメン店を営業しながら自身の店の漏電事故により周辺の店ごと全部燃やしてしまった元ラーメン店の店主なんていう人も出てくる。普通なら二度と顔を出すことができないだろう。
それでもこの塙山キャバレーに顔を出せる、という暖かさ、それはもはや暖かさなのかどうか私にはわからない。
 
決して彼ら、彼女らは裕福な暮らしはできていないだろう。なんたってトタン屋根のぼろい屋台、私が住んでいる賃貸アパートよりも安い賃料で店をやっているのだ。
飲食代も安く、なんでこんなことをしているんだろうと傍目に見たら思ってしまう。
 
しかし、彼女らはそれを覚悟しているのだと思う
前編にて売れないバンドマンに対してある店のママは言った「40年続けてみろ」と。
なかなか年季の入った言葉である。
 
その道を選んで40年生きてきているのだ。そして生きてこられているのだ。その道を歩んだことに対して敬意を表したい。
 
多くの店のママが店を辞めるつもりはない、と言う。このコロナ過の不況の中においてもだ。それほどまでに覚悟は強い。
 
そしてもう30歳にもなって大した覚悟も決められず生きるべき道に迷っている自分の指針にしたい。
 
人生観が変わるような回でしたね。