紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

やる気をそがれた時のためのレジリエンス

今週のお題「やる気が出ない」

最近は心も病み気味、と言いつつも何かをやらないと前には進みません。 好きなことをする、お酒を飲むなどは一時的にはもちろん有効だと思うけど、本質的な改善には至りません。

これからの人生、やる気をそがれることは何度もあります。

ダメなときにどうすればいいのか科学的な根拠がある方法を試したいな、と考えた時、私の頭の中にあった学術的な知識は「認知療法」「ポジティブ心理学」「レジリエンス」という言葉でした。

今回はレジリエンスについて紹介したいと思います。レジリエンスを高めるためにはレジリエンスコンピテンシーという考え方を身に着ける必要があります。早速見ていきましょう。

参考

レジリエンスとは

私たちはストレスや逆境を迎えた時、気分や意欲が落ち込みます。 何によってストレスを受けるかは人それぞれ。 単純に「上司に怒られる」とストレスを受ける人は多いと思いますが、例えば「宝くじに当選する」など一見喜ばしいことでも人によってはストレスになりえます。

レジリエンスとは、ストレスを受けた時にいかに早く立ち直ることができるか、という力です。

打ちのめされた事が無い選手等、かつて存在した事は無い。ただ一流の選手はあらゆる努力を払い速やかに立ち上がろうと努める。並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い、そして敗者はいつまでも グラウンドに横たわったままである。

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今、なぜレジリエンスが必要とされているか

現代社会は超ストレス社会です。 かつて敷かれていたレールはもう存在しないと言っても過言ではありません。 人生100年時代、大転職時代、副業解禁、結婚しない自由、年金2000万円問題、新型コロナウイルス、大企業でさえ買収されるグローバル社会、賃金格差 ちょっと考えただけでこんなに出てきました。我々現代に生きる人々はいつ何が起こるか分からない世の中で常にストレスにさらされています。

ストレスを受けるのは仕方ありません。 変化の速い現代社会においてはストレスに対していかに早く立ち直るかが次への一歩につながります。 そのためにはレジリエンスが不可欠なのです。

レジリエンスを高めるにはどうすればよいか

紹介した本によればレジリエンスを高めるためには6つのレジリエンスコンピテンシーと7つのレジリエンススキルを身に着けるのが有効です。 コンピテンシーと言うのは難しい言葉ですが「考え方の癖」くらいに認識しておいていただければ大丈夫です。 6つのレジリエンスコンピテンシーを見ていきましょう。

6つのレジリエンスコンピテンシー

  • 自己の気づき

自分の思考、感情、行動、生理的反応に注意を払う能力のことです 人は意外と今自分がどんな状態にあるのか分かっていないことが多いです。まずは自分が今どんなことを考えているのか気づくことから始めます。 「なんだか調子が悪いな、昨日夜更かししたからかな?」 「今日はイライラしてるな、仕事がうまく行っていないからかな?」 などの自らの傾向に気づくことから始まります。

ちなみに私は「誰もいないところで自問自答を始めたらイライラしているサイン」という傾向があります。

自分の行動や言動をコントロールする 先ほどの「自己の気づき」で自らの思考や感情に気づくことができれば、物事が悪い方向へ行く前に対策を練ることができます。 「イライラしているときは部下を起こりがちになるから気を付けよう!」とか「調子が悪い日は諦めて早く帰ろう」といった具合です。

私の場合は自問自答を始めた自分に気づいたらコーヒーブレイクを入れることにしています。

  • 現実的楽観性

「楽観性」ではありません。「現実的楽観性」です。 楽観性は絶望的な状況にありながらも「なんとかなるっしょ」と現実を見ません。結果なんとかなりません。 典型的な例で言うと「お酒を飲んで忘れよう」でしょうか。 一時的にトラブルやストレスから目を背けることはできますが根本的な解決には至りません。 「現実的楽観性」は現在の業況を打破するために自らがとるべき行動を取りさえすれば物事はいい方向へ進む、という考え方を持つことです。 本にも書かれていますが「上手にもがく人」レジリエンスが高い人です。現実から目を背けるのはおススメしません。

  • 精神的柔軟性

物事を悪いほう悪いほうへ考える癖を辞め、出来事を正確にとらえる力です。 私はかなり苦手です。マイナス思考なので

例えば朝、先輩に挨拶した時いつもより暗い返事が返ってきたとします。 「うわ、先輩今日機嫌悪いなー、何かまずいことしたかな」と私はすぐに考えてしまいます。 たまたま先輩の喉の調子が悪かっただけかもしれませんし、もっと言えば私の聞き間違えかもしれないのに、すぐにマイナス方向へ物事を考えてしまうのはよくないです。

  • 強みとしての徳性

自分自身の「最高最善」を特定して、強みとして活用する。 「強みを活かす」ことの大切さは様々な場面で言われます。 しかし私も含め、自分の強みを把握している人は意外に少ないのではないのかなと思います。 自らが生き生きと人生を歩むためには過去の経験や自らの感情を把握し、どんなことをすれば自分が生き生きとしているか、を自分で理解する必要があります。

自分の強みや楽しいことを理解していないのに、自分の強みを活かす仕事をしたり自分が楽しいことはできないですよね。 本に書かれている以下の事柄は非常に重要なポイントです。

「自分は最高最善の自分のあり方が分かっているし、いつでもそういう自分になれる」

  • 関係性の力

人は一人では生きられず、誰かに助けを求めることが必要なときもあります。 私自身も頭では理解できますが、行動に移すにはなかなか尻込みしてしまいます。人に弱みを見せることは躊躇しますし、他人に申し訳ないと思ってしまいます。

しかしレジリエンスコンピテンシーの考え方において、関係性の力は非常に重要な役割をもたらします。 よい人間関係や密なネットワークを持っていることは非常に重要です。

密なネットワークと言うのは深い人間関係、お互いの気持ちや考えを理解し、前向きで建設的なコミュニケーションが取れる間柄です。

終わりに

この本に出てくるニーバーの祈りという一節があります。私も好きな一節です。

God, give us grace to accept with serenity the things that cannot be changed, Courage to change the things which should be changed, and the Wisdom to distinguish the one from the other.

神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、 変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

【神話と寓話】 ダレル・ロイヤルの手紙

まさにレジリエンスコンピテンシーで言う「現実的楽観性」のことです。 現実から目を背けてもいつまでも問題は解決されません。 時と場合によっては逃げることが必要な場面もあります。 しかし問題を解決するためには問題に真正面から向き合う姿勢が大事です。

問題や課題によって一時的にストレスを抱えたり逆境を迎えたとしてもぜひレジリエンスコンピテンシーを発揮して問題を乗り越えたいものです。 次はレジリエンススキルについて詳しく書きたいですね。

以上、やる気をそがれた時のためにレジリエンスを高めようというお話でした。