紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

「キャリアポルノは人生の無駄だ」自己啓発本は人生の無駄なのか

家の中が自己啓発本で溢れかえっている私にとっては耳の痛い言葉ですね。

 

 

キャリアポルノとは

著者めいろまこと谷本真由美の造語である。
 
この本の中では自己啓発本やビジネスセミナーのことを指しているが、最近で言うとビジネス系Youtuberやビジネス系Twitterアカウントなどもこれにあたる。自己啓発本セミナーが大なり小なりお金を払わなければいけないのに対して、YoutubeTwitterはお金がかからないことが多く、近年キャリアポルノにハマる人は多そうだ。Daigo氏とかすごいもんね。
 
自己啓発本を読み解くにもリテラシーが必要だ
自己啓発本の著者は成功者であることが多いが、著者が成功したことに関してはからくりがあることもある。もともと東大に合格するほど頭がよかったり、中学校の頃からお金を稼いでいたり、強い人脈があったり、など様々だ。そのバックグラウンドを加味したうえで何が自分に活かせそうで何が、自分では活かせそうにないか、ということが分からなければ、適切な行動ができない。
嘘が嘘で見抜けない人は2chができない、という言葉があるが、それと同じで何が成功のカギとなったのか分からない人は、何冊自己啓発本を読んでも成功することはなく、キャリアポルノにハマってしまうという負のループが始まってしまう。
 

キャリアポルノにハマってしまう人の特徴

私は主に2点読み取った。
自己実現の方法がよく分かっていない人
日本では仕事に自己実現を求めている人がまだまだ多い。近年その傾向は弱まるどころか強くなっているように思える。
大企業信仰から個人の時代への移行、自らの市場価値を上げたり、副業でお金を稼ぐことに余念がない人、好きなことを仕事にする人が増えYoutuberもプロゲーマーも今や成功するには狭き門、レッドオーシャンになってしまった。 
自分がすべきことが明確になっている人はさっさとやっていると思うが、分からない人は一番初めの取っ掛かりとして自己啓発本に手を出す人も多いはずだ。
 
競争社会からの不安が強大である人
日本という国は雇用形態が特殊だ。最近でこそ例外は増えてきているが、未だ新卒一括採用、正社員・非正規社員の壁、などの制約が多い。
一度キャリアを外れてしまうと二度と這い上がれない、という不安の中、自らが競争に勝ち残っていかなければならない、という不安を感じている人もいるはずだ。
コロナウイルスによって仕事がなくなってしまった人もいる。
下記記事では少し意味合いは違うがコロナ過で自己啓発本の人気はますます上がっているとのことが書いてある。震災時などもそうだが人々が将来に不安を見出すと自己啓発本の売れ行きは上がる。
もちろんこういった状況からでも努力し、這い上がることは可能であると思う。
実際に再起を果たし、自己啓発本を書くような人もいる。みんな、そのノウハウが知りたいんだよね。
でも多くの一般人が絶望的な状況から這い上がることはなかなか難しい。
普通の人間にはそこまで大きな才能があるわけではなく、人間は基本的に怠惰だ。
 
何を隠そう私もキャリアポルノオタクである。著者が本の中でキャリアポルノだと指摘する自己啓発本を数多く持っていた。
「金持ち父さん貧乏父さん」「もしドラ」「さあ、才能に目覚めよう」「思考は現実化する」などだ。
私だって自己実現の方法は自分でもよく分かっていないし、将来への不安は毎日募るばかりだ。いつ路頭に迷うかも分からないから、車も家も買わないし子供だって持ちたくない。
 

自己啓発本との向き合い方

著者はキャリアポルノなんてハマってないで以下の2つをやれと言っている。
不安を可視化する
問題そのものが解決されない限り、自己啓発本を読んでも不安は絶対に消えない。ならば不安を消し去るために今できることをする、という実にシンプルな考え方だ。
不安に考えていることを書き出す。問題の重要度など、優先順位を付けたうえで問題に対処する方法だ。
 
人生を楽しむ(自己実現する)
著者は海外勤務の経験もあり海外の事情に詳しい。
欧州では仕事の人とパブに行っても仕事の話はほとんどしないそうだ。
多くの人が忘れている真実かもしれないが、人生を楽しむ方法は何も仕事だけではない。
家族と一緒に遊ぶ、映画を見る、ブログを書く、創作活動をする、人に親切にする。お金は稼げないかもしれないけれども、そういったことに生きがいを見出し仕事は仕事で割り切る、という考え方だ。
私自身はこの考えにあまり賛同することはできないが、仕事で苦しみ、自己啓発本を読み漁るくらいなら、仕事ではない他のことに注力することは有意義かもしれない。
 
私自身の自己啓発本との向き合い方
自己啓発本で人生を大きく変えようとはせず、小さく変えるということを推奨したい。
 
著者はキャリアポルノにハマる人間は実は自分を変える気がなく、読んだ後も行動が伴わない、という特徴を挙げている。
 
確かに思い当たる節はある。どうせ内容は1割も覚えていないし実践できたとしても数日で辞めてしまう、ということも多い。
私はそういった事態を避けるため同じような内容を多読し、何度も読むことで少しずつ自分の行動を変えていけている。
 
キャリアポルノは目的ではなくあくまで手段だ。やる気を出すために読むのは構わないがそれ自体を目的としては本末転倒だ。
やはりそのあとの行動が伴わなければならない。
 
読んで、やる気を出して、数日間でもいいからよい行動を続ける。忘れそうになったころにまた読む。そして続ける。
そういった積み重ねでしか我々の人生はよい方向に行かないのではないのだろうか?
 
キャリアポルノはそれ自体を目的化してしまえば無駄だが、手段として適切に使う分には問題はない(と思う)。