紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

~結婚滅亡~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~

 
下記本の感想である。

 

 

 
荒川和久、職業独身研究家
自分も生涯独身である可能性が高いと考えているので彼の記事はよく読んだりする。
 
しかし独身研究家の彼の本やWebの記事では結論や彼自身の意見が出ないことが多い、それゆえただでさえ迷っている我々の心をさらに揺さぶるような気持ちにさせていた、という罪深い男だ。
 
データばっかり示していたり、意見があってもせいぜい「独身向けのマーケティングも大切だよね」くらい。
 
しかしこの本はかなり新しい視点が盛り込まれている。
キーワードで言えば「自分の中の多様性」だ。
ただデータだけを示していた以前とは違い、結婚の有無、子供の有無を超えたコミュティのあり方やコミュニティに対して自分がどう向き合ったらよいのかといった、まさに人生100年時代の生き方を示した本なのではないかと思う。
 

結婚は所属型のコミュニティ

高度経済成長期に代表されるかつての日本は個人が強固なコミュニティを形成していた。それは家庭であり、会社であり、地域であった。そのような少数ながらも強固なコミュニティを形成することで個人が一番コミットしなければならない事柄に全力でコミットしていた。多くの男性にとってそれは仕事であり、多くの女性にとってそれは子育てである。
それが日本を豊かに、また個人の生活を豊かにすることへの最短ルートであったため多くの人間がそれを選んだ。
 
下記グラフにもある通り、1985年に生涯未婚率(50歳時未婚率)は男女とも5%にも達していなかった。しかしそれから30年経って2015年、未婚率は男性6倍、女性3倍にもなっている。
お見合い結婚が衰退し恋愛結婚が増えたこと、
高学歴化が進み社会に出て働き始める年齢が上がったこと、
経済の衰退による貧困、
価値観の多様化による結婚しないという選択、
 
理由はいろいろあるだろう。婚活女子による上昇婚思考、弱者男性は土俵にも上がれないという現実、マッチングアプリや婚活アプリによる格差の見える化
いつから自由恋愛はこんなにもつらいものになったのだろうか。。
 

所属するコミュニティから接続するコミュニティへ。コミュニティへ接続し、自分の中の多様性を見つける

 
まあそれはさておき所属型のコミュニティは段々と希薄になってきているのはどのコミュニティにおいても明らかだろう。
家庭においては未婚率並びに離婚率は上昇している。
会社においては大企業でさえもいつ倒産、買収されるか分からない状況だ、転職する人だって増えており、かつて考えられていた定年まで1社で勤め上げるモデルは崩れつつある。新型コロナウイルスの流行も相まって会社の人間関係を強力にするのは困難だと言わざる負えない。
地域についても同じだ、田舎に行けばまだ残っているところも多いだろうが地域のイベント、お祭り、そんなものはどんどん減っている。地域をまとめ上げる人々の高齢化は深刻だ。
若い人は自分の住んでいる地域に所属し地域のために何かをするといった感覚は弱いと感じる。
 
そこで出てくるのが接続するコミュニティだ。
 
先ほどまで例に挙げた所属するコミュニティは強固なつながりではあるが、いい時も悪い時も喜びも困難もみんなで分かち合うという特色がある。
大家族で住めば自分が病気になったときは助けてもらえるかもしれないが、一人になる時間はない。
かつての会社では仕事を教えてくれる先輩はたくさんいたかもしれないが飲み会は必ず最後まで付き合う。
地域のお祭りは楽しいが毎月のごみ拾いもしなければならない。などなど様々な制約がある。
 
それに対して接続するコミュニティは自分のやりたいことや求めるものに対して適宜関係するコミュティを変えていくといったもの。
 
仕事は会社で、飲み会は飲み友と、趣味は趣味友と、悩みの相談は会ったことはないがよく話すSNSの友人、といった具合だ。
これはよく言われる「弱いつながり」とも言い換えることができる。

 

 

 

「ソロで生きる力」とは「人とつながる力」、人とのつながりで生まれる自分の中の多様性を大切にしよう!

 
人とつながる力、というのが先ほど書いた接続するコミュニティである。
ではなぜ人とつながる力が大切なのだろうか。
 
未婚率の上昇と平均寿命の上昇。これは誰もがソロになる可能性がより高まることを示唆している。
たとえ早いうちに結婚しても配偶者と離婚することもありうるし、死別することもありうる。その時に必要な力こそが著者の言う「ソロで生きる力」なのである。
人は結婚したからと言って幸福になれるわけではない、そんなことは分かるだろう。しかし、結婚している人の方が幸せそうに見える。なぜだろうか?
答えは内面の充実である。
 
人は人とつながることで自分自身の中に多様性を見出すことができる。新しい自分を発見できる。新しい自分を見つけることで自分の内面を充実させる、という考えだ。
 
多様性、多様性と口ではいいながら、なかなか他人の多様性を認められない人も多い。それ は、「自分自身の中にも多様性があるのだ」ということに気付けていないからだと思ってい ます。
 
~結婚滅亡~「オワ婚時代」のしあわせのカタチ~
 
 
恋愛や結婚はそれを容易に実現することができる。
・恋人や子供の寝顔を見ると幸せ→寝顔を見ることで幸せを感じることのできる自分を発見できる
・料理を作っておいしいといってもらえる→誰かのために料理を作ることで喜ぶ自分を発見できる
 
自分の中の多様性を発見し、内面を充実させることこそがこれからの人生において必要なことである。
 
これは既婚者だろうが未婚者だろうが変わらない。未婚者だって内面を充実させる方法は探せばいくらでもある。
自分一人で趣味に打ち込むのもよいがコミュニティに接続し、人とつながることで自分一人では考え付かなかったような新しい自分を発見できる、だからこそ「人とつながる力」が重要なのである。
 
著者も本の中で引用しているが、山里亮太と結婚した蒼井優が残した名言がある。
 
「「誰を好きか」より「誰といる時の自分が好きか」が重要らしいよ」
 
彼女はまさに山里と一緒にいる時に新しい自分を見出し、さぞ幸せを感じたのでしょう。
こうやってまとめるとやっぱり結婚なのかあ。。となってしまうが、結婚せずとも人とつながる力はつけられます!
諦めずに頑張っていきましょう!