紫色のつぶやき

どうせそんな悩みは1年後にはどうでもよくなってる

映画「ちはやふる」、青春を謳歌できる極少数の勝者

先日見た映画「8mile」で短歌のことを書いたので映画「ちはやふる」を見た。

 

 

 

ちはやふる」は高校に入学してかるた部を創設した主人公千早(広瀬すず)が幼い頃からずっと一緒にカルタをやってきた太一(野村周平)や新しい部員たちでカルタを行う青春映画だ。

個人的な注目ポイントとしては原作が少女漫画(BE・LOVE掲載)だということ。

部活動の青春漫画が少年漫画ではないのは珍しい。

 

映画「バクマン」で言っていましたが少年ジャンプの王道は「友情・努力・勝利」だそうだ。

実際見てみるとこの映画にも同じようなものを感じた。結局ベタなストーリーかと思ったが話はそう単純ではない。

 

ベタのストーリーこそ人間が本当に望んでいるものなのではないか

確かにストーリーはお馴染みの青春ストーリーだ。

 

千早が私情を挟んで左利き相手の対策ばっかりやっているときに空回りして勝てた相手にも勝てなくなっていく。

そんな千早に部員達が「おまえ一人でかるたをやってるんじゃない!」と言い放ちます。まさに青春!

 

仲間のために、チームのために、仲間に言われて本来のペースを取り戻していく千早。

 

見ている人たちはストーリー展開など分かっているのかもしれません。

または結果よりもみんなが1つになる過程を見るのが楽しいのかもしれません。

 

私はそんな青春の良さを言いたいのではない

 

この手の青春物語に出会うことは本当に多い。

しかし現実世界で実際に自分の学生時代を思い出してみるとこのような青春を謳歌できるのはほんの一部の人たちだけだった。

 

私も中学生から大学生まで体育会系の部活で活動してきて、そのようなベタなストーリーに出会った事はあまりない。

 

残念ながら仲間の絆が勝利をもたらす事はほとんどなかった。

甲子園などを見ていれば中学生や高校生の部活は精神面でいくらでもプレーや競技の質は左右され、番狂わせが起きやすいものであるのは確かだ。

結果的に買った時や負けた時に仲間のことを思ってプレイしたと思いたいのでしょう。自分が青春を謳歌している事を肌で実感したいのでしょう。

 

正直うらやましい。その純粋さが。

 

そんな純粋な彼らが大人になれば犯罪を犯したり、不正を働いたりはしないのだろう。

 

今の大人に他人のために自分を犠牲にして何かをしている人は本当に少ないように思える。みな自分のことで精いっぱいだ。

もちろん現在話題のスーパーボランティア尾畠さんのように困っている人のためにボランティアに精を出している方もいらっしゃいますが、大多数の人がそんな余裕がないのが現実だ。

 

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青春を謳歌できる極少数の勝者

何のしがらみもわだかまりもなく部活などの活動に全てを捧げることができる環境に置かれながら仲間のために、チームのために本気で頑張れる生徒や先生はどれくらいいるのでしょうか。

 

何かに本気になる事は恥ずかしかったりダサかったりするという印象が強かった。

特に周りの目が気になるお年頃だ、自分もそうであった。

 

主人公千早のように「仲間」という言葉をなんのためらいもなく発言できるまっすぐな人は本当に尊敬する。こういう人たちが青春を謳歌することができる極少数の勝者だと思う。それは部活の強さや部員の多さに左右されるものではない。

 

丁度世間では甲子園の真っ最中だが、仲間のために、チームのために頑張ることができる時代なんて本当に今しかないのだからぜひ球児のみなさんには悔いの残らないようにやって欲しい。